部屋の縦横は測れた。でも、柱が出ている。片側は壁ではなく廊下につながっている。窓側だけ少し斜めになっている。
このような部屋は珍しくありません。部屋全体を一つの長方形として計算すると、柱の前で畳が止まったり、反対側へ予定外の空きが出たりします。先に「どこを畳の外周にするか」を決めてから測ると、数字を整理しやすくなります。
必要なのは、きれいな図面ではありません。
紙に部屋の形を描き、「基準にした壁」「柱までの距離」「空いてもよい側」を書いてください。手書き図と写真を一緒に送ると、置きたい範囲が伝わりやすくなります。
最初に、敷きたい範囲をテープで囲む
「部屋全部」ではなく、実際に置き畳を敷く外周を決めます。マスキングテープなど、床に影響しにくい方法で四隅の目印を付けると、家具や通路との関係が見えます。床材によってテープの使用可否が異なるため、目立たない場所で確認してください。
- ドアの開閉範囲へ入らないか
- 収納扉や引き出しが開くか
- 家具の脚が畳の端へ乗らないか
- 廊下との境目に段差を作ってよいか
- 掃除機を入れる空間を残すか
この段階で「壁までぴったり敷く」必要がないと分かることもあります。置き畳は、部屋の中央に必要な範囲だけ敷く使い方もできます。
採寸の基準は、直角に交わる2方向
できるだけまっすぐで、位置が変わらない壁を「縦の基準」「横の基準」にします。幅木の出っ張りがある場合は、畳が実際に当たる位置で測ります。壁の上部ではなく、置き畳の高さに近い床面側の寸法が必要です。
一方が壁ではなく開いている場合は、敷き始める位置を床に印し、そこを仮の基準線にします。家具の端は動く可能性があるため、基準にするなら最終配置を決めてから測ります。
柱・出っ張りは4つの数字で記録する
柱が室内へ出ている場合は、次の4点を記録します。
- 基準にした縦壁から柱までの距離
- 基準にした横壁から柱までの距離
- 柱の縦方向の出幅
- 柱の横方向の出幅
「右奥に柱が20cmあります」だけでは位置が分かりません。手書きでよいので上から見た図を描き、すべて同じ単位で数字を入れます。cmとmmを途中で混ぜると、桁の間違いが起きやすくなります。
斜め壁は、1か所だけ測らない
壁が斜め、またはわずかにゆがんでいる場合、入口側と奥側で幅が違います。最低でも両端と中央を測り、どこが最も狭いか確認します。
最も広い寸法に合わせると、狭い場所へ納まらない可能性があります。一方、最も狭い寸法だけで全体を作ると、広い側へ空きが出ます。その空きを許容するか、家具側へ寄せるか、見える通路側へ均等に分けるかを先に決めます。
空きは「どこへ出すか」まで決める
| 部屋の状態 | 考えやすい配置 |
|---|---|
| 四方が壁 | 複数箇所を測り、納まりを優先。必要に応じて壁際の余裕を検討。 |
| 縦方向だけ壁に挟まれる | 縦の納まりを慎重に決め、横の空きは開いている側へ寄せる案を比較。 |
| 横方向だけ壁に挟まれる | 横の納まりを慎重に決め、縦の空きは通路や家具側へ寄せる案を比較。 |
| 一角に柱がある | 柱を避けた長方形に分けるか、柱前を空けた部分敷きにする。 |
| 壁が斜め | 狭い側を基準にし、広い側の空きを一方へ寄せるか分散する。 |
計算結果で空きが出たとき、それは単なる余りではありません。家具を置く側、歩かない側、壁のない側などへ意図して寄せることで、使いにくさを減らせます。
正方形にするか、縦横オーダーにするか
正方形は見た目をそろえやすく、市松敷きにも向きます。ただし1辺が共通なので、縦へ合わせると横に、横へ合わせると縦に空きが出ることがあります。縦方向に合わせた案と横方向に合わせた案の両方を比較してください。
縦横オーダーは、1枚の長さ方向と幅方向を変えられるため、長方形の範囲へすき間を抑えて配置しやすくなります。ただし柱の形に合わせたL字形になるわけではありません。特殊な切り欠き加工が可能かは商品や条件により異なるため、注文前にお問い合わせください。
5mmの余裕は、必要な方向だけ検討する
安価なメジャーを含む測定誤差や、壁のわずかなゆがみにより、寸法どおりでも納まらないことがあります。その可能性を下げる方法として、壁に挟まれる方向の総寸法から5mm程度小さくする考え方があります。
- 縦だけ壁に挟まれるなら、縦方向だけ検討
- 横だけ壁に挟まれるなら、横方向だけ検討
- 壁のない側まで自動的に引く必要はない
- 初期状態では引かず、部屋の条件を見て選ぶ
5mm引けば必ず入る、という保証ではありません。 引く場合も引かない場合も、採寸と製作寸法の最終判断が必要です。受注製作品は、お客様の採寸違いを理由に返品・交換できない場合があるため、ご利用ガイドをご確認ください。
床コンセント・配線・点検口がある場合
床コンセントや点検口を畳で覆うと、使えないだけでなく点検時にすべて動かす必要があります。位置と大きさを図へ入れ、そこを空ける配置、畳の継ぎ目に合わせる配置、部分敷きのどれが現実的か考えます。
電源コードを畳の下へ押し込んで段差を作る使い方は避けてください。配線器具の扱いは、その製品と住宅設備の説明に従います。
相談前に用意する6点
- 部屋全体を入口から撮った写真
- 反対側から撮った写真
- 柱・出っ張り・斜め壁の近接写真
- 上から見た手書き図
- 縦横と障害物位置の数値
- 空きを出してもよい側、避けたい側
写真だけでは正確な寸法は分かりません。数字だけでは、ドアや家具との関係が分かりません。両方を一緒に送ることで、初めて配置案を検討しやすくなります。
採寸で避けたい3つの思い込み
柱に合わせて、自分で置き畳を切ってもよいですか?
畳表、縫い付け、畳床、裏面材で構成されているため、完成品を切ると端部が崩れる可能性があります。自分で切る前提では注文せず、配置変更や加工可否を事前に相談してください。
空きは部屋の中央へ均等に出した方がよいですか?
必ずしも中央へ分ける必要はありません。計算図では空きを一方へ寄せて総量を分かりやすく示すことがあります。実際は家具、通路、見た目、掃除方法に合わせて位置を決めます。
レーザー距離計なら1回測れば十分ですか?
道具の種類にかかわらず、端と中央など複数箇所を測ります。床面側に幅木や家具がある場合は、レーザーの位置と畳が納まる位置が一致しているか確認してください。
難しい部屋ほど、先に図にする
変形した部屋で失敗しやすいのは、計算が難しいからではなく、どの範囲へ敷くかが曖昧なまま枚数を決めるからです。外周、障害物、空きを出せる側を一枚の図へまとめてから、正方形案と縦横オーダー案を比較してください。
柱や斜め壁がある場合は、注文前に手書き図と写真をLINEでお送りください。加工可否は商品や条件で異なるため、既製の四角い畳で納める方法も含めて一緒に確認します。
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