い草づくりは、田へ植える前の苗の準備から始まります。苗挿しは、増やした苗を扱いやすい単位に分け、次の植え付けへ備える作業です。
先に結論:い草は種をまいてすぐ収穫する作物ではありません。苗を育てて準備し、本田へ植え替え、長い期間の管理を経て収穫されます。畳表の背景には、生産者の継続的な手仕事があります。

目次
い草の苗挿しとは何をする作業?
い草は、育てた苗を株分けしながら増やしていきます。苗挿しでは、苗の状態を見て分け、苗床で育てる準備をします。機械だけでは完結しにくく、人の手で苗を扱う工程が多く残っています。
苗の準備が不十分なら、その後の植え付けや生育にも影響します。完成した畳表からは見えませんが、品質を支える最初の工程です。
佐賀県産い草を支える人の手
写真は、青畳工房で使う畳表を製作する吉丸さんの作業場を訪ねたときのものです。複数人で苗を確認しながら作業を進めています。
い草の作付けを続けるには、生産者だけでなく、苗の準備を手伝う人、農機具、織機、染土など周辺の仕事も欠かせません。国産い草の畳を選ぶことは、こうした生産と製織の技術を次へつなぐことにもなります。
苗から畳表になるまでの流れ
| 段階 | 主な作業 |
|---|---|
| 苗づくり | 苗を増やし、状態を確認して植え付けへ備える |
| 植え付け | 準備した苗を本田へ植える |
| 生育管理 | 水や生育状況を見ながら手入れする |
| 収穫・乾燥 | 育ったい草を刈り取り、泥染め・乾燥する |
| 製織 | 選別したい草を織って畳表にする |
| 畳製作 | 畳店が芯材と組み合わせ、寸法どおりに仕上げる |
天候や生育によって作業時期は変わります。苗挿しから完成品までを短期間で一気に行うものではありません。
置き畳を選ぶときに産地を見る意味
- 原料のい草を誰が育てたか分かる
- 畳表を誰が織ったか確認できる
- 畳に加工する職人と工房が分かる
- 天然い草の色変化や手入れを相談できる
「国産」とだけ書かれている商品でも、産地や製作者の表示範囲は異なります。価格と見た目だけでなく、どこまで確認できるかを比べてください。
天然い草は均一な工業製品ではありません。
色や太さ、織りにわずかな違いが出ることがあります。天然素材の表情として理解したうえで選びます。
色や太さ、織りにわずかな違いが出ることがあります。天然素材の表情として理解したうえで選びます。
い草の苗づくりについてよくある質問
苗挿しの後、すぐ収穫できますか?
できません。苗を育て、本田へ植え、長い生育期間を経てから収穫します。
生産者が畳まで作るのですか?
吉丸さんは栽培から畳表の製織までを行い、青畳工房が芯材と組み合わせて置き畳へ加工します。
人工素材の畳にも苗づくりはありますか?
ありません。和紙表や樹脂表は天然い草とは異なる方法で製造されます。
い草・和紙・樹脂の違いを知ると、暮らしに合う置き畳を選びやすくなります。

